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平成25年度考古学講座(後期第1回)を開催しました!

H25-2archaeologicalmeeting4-thumb-400x300-33512月7日(土)に考古学講座を開催しました。考古学講座は、今回から4回にわたり、平成25年12月~平成26年3月を後期日程として、「考古学研究・人類学研究最前線!」をテーマとした講演会を実施していきます。

今回の講師は、国立歴史民俗博物館准教授の工藤雄一郎先生です。ご講演では、「縄文時代はいつから?- 環境史から時代の移り変わりを探る -」と題し、考古学と年代測定、環境学との対比からみる旧石器時代から縄文時代への移り変わりについて、お話しをいただきました。

縄文時代のはじまりは、土器の出現をもってそのきっかけとする見方や、土器だけではなく、たとえば石鏃などの旧石器時代にはない道具や明快な集落(定住)の出現もそのきっかけとしなければならないとする見方もあり、なかなかその位置づけは定まっていないことが現状です。

また、縄文時代のはじまりの頃と考えられている、青森県外ヶ浜町の大平山元Ⅰ遺跡から出土した土器に、約16,500~15,000年前という年代が示され、土器の出現が氷期までさかのぼることがわかったことも、この問題に深みを与えています。

工藤先生は、考古学をご専門としながら、出土資料の丹念な年代測定をもとに、旧石器時代の終わりから縄文時代のはじまりにかけての環境史の整備に取り組んでおられます。

ご講演では、縄文時代のはじまりをめぐる研究の歴史や、年代測定の方法をわかりやすくご解説いただきました。またご研究の成果から、とくに大平山元Ⅰ遺跡を題材に、環境史からみた当時の気候や景観、土器出現の意義について述べられ、縄文時代のはじまりをどのように考えていくかを力説していただきました。

次回は、年明け平成26年1月11日(土)14:00からです。講師には、現在、当館と共同研究をされている東京大学大学院教授の辻誠一郎先生をお迎えします。「縄文時代前半期の環境変動と集落生態系」というご演題のもと、ご講演をいただく予定ですので、次回もぜひご参加ください!