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特別展考古学講座を開催しました!

8月25日に、特別展考古学講座を開催しました。
講師に、公益財団法人北海道埋蔵文化財センター常務理事の長沼孝先生をお招きし、「北からみる縄文-くらしと交流」のご演題で、特別展「海をわたる縄文人~津軽海峡文化圏~」にちなんだお話をいただきました。
講座では、旧石器時代からアイヌ文化期までの北海道の歴史をはじめ、国宝・中空土偶(函館市著保内野遺跡)や手形・足形付土製品(函館市垣ノ島遺跡)、動物形土製品(千歳市美々4遺跡)など北海道の縄文文化におけるトピックをご紹介いただきました。手形・足形付土製品は、粘土に子どもの手形や足形を押し付けて焼いたもので、大人の墓から見つかっています。長沼先生は、手形や足形のつき方や足の研究者の所見をもとに、子どもの成長の節目にお守りとしてつけたもので、大人の墓から見つかるのは、それを使った人物の墓におさめられたためと解説されました。
また、北海道木古内町の幸連(こうれん)5遺跡で出土した人の顔が描かれた三角形の石製品など、近年の北海道考古学における話題についてもわかりやすく解説していただきました。また、北海道産の黒曜石の原石や、人の顔が描かれた三角形の石製品の実物大のレプリカなどの資料もお持ちいただき、耳で聴くだけでなく目でも学ぶことができました。
大変わかりやすいお話に、時間を忘れて聞き入ってしまう講座になりました。

10月27日には、明治大学兼任講師の樋泉岳二先生をお招きし、秋季企画展「どうぶつと縄文人」にちなんだお話をいただく予定です。お楽しみに!