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第1回考古学講座を開催しました

6月14日(土)に令和4年度是川縄文館考古学講座の前期第1回を開催しました。本講座では、縄文時代を考えるうえで欠かせない縄文土器研究をテーマに、多様な視点からご研究を進められている先生方をお招きし、その成果についてお話しいただきます。当館では夏の特別展「行きかう土器とヒト」の開催を予定していることもあり、このテーマを設定いたしました。

第1回は、帝京大学文化財研究所、研究員の河西学先生をお招きし、「土器の胎土分析と混和材等について」と題してお話しいただきました。

ご講演では、土器胎土分析とは何か、またそこからわかることについて先生のご研究の成果をもとに解説いただきました。先生のお話しによれば、土器を構成する粘土や砂などの堆積物は、周囲の地質環境に由来する特徴を持っており、堆積物の分析をすることで土器の原料の産地や土器製作地を推定することができます。そして、それらの結果から土器の移動や人の交流を復元することもできるとのことです。

縄文土器というと、形や文様などの見た目が注目されることが多いですが、土器を形作る粘土自体にも様々な情報が隠されていることが分かりました。参加者の皆様も新しい視点でのお話しに興味を惹かれたようで、熱心に聞き入っている様子でした。

次回は6月18日(土)の開催です。
千葉市埋蔵文化財調査センターの戸村正己先生をお招きし、「縄文土器は如何にして作られたのか-その技術の探求-」と題して、縄文土器作りの技術についてお話しいただく講座です。
是非ご参加ください!