常設展示

是川縄文館に収蔵されている資料の一部を紹介します。

旧石器時代の一覧

・石刃

石刃

遺跡名

田向冷水遺跡

時代

後期旧石器時代

法量

最大7.28cm

指定

-

両側面が平行する縦長剝片です。石材には珪質頁岩が用いられ、頭部に細かい調整がされています。両側の刃部縁辺には、刃こぼれ状のとても細かい剥離がみられます。

・ナイフ形石器

ナイフ形石器

遺跡名

田向冷水遺跡

時代

後期旧石器時代

法量

最大7.39cm

指定

-

石刃や縦長剥片を素材とした二側縁加工のナイフ形石器です。片方の刃をつぶして背にし、刃部と基部の境に明瞭な抉りを作り出しています。石材はすべて珪質頁岩です。刃部に衝撃剥離や刃こぼれをしたものもあります。

縄文時代の一覧

・土偶

土偶

遺跡名

風張(1)遺跡

時代

縄文時代後期

法量

14.1cm

指定

国重要文化財

竪穴住居跡から出土したポーズをとる土偶です。両膝を折って座った状態で、左手を左頬にあてがっています。顔立ちは粘土紐ではっきりと作られており、耳飾りをしていたかのような表現がみられます。

・入れ子土器(深鉢形土器)

入れ子土器

遺跡名

新井田古舘遺跡

時代

縄文時代後期

法量

19.6cm、22.5cm、25.0cm、22.8cm

指定

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出土状況<出土状況>

一つの土坑から3個体が入れ子状に重ねられ、1個体が口を向き合わせて倒れた状態でみつかりました。土器はすべて縄文時代後期中葉の十腰内2式土器です。体部に共通してS字を反転させて連結した文様がみられます。

・狩猟文土器(深鉢形土器)

狩猟文土器

遺跡名

市子林遺跡

時代

縄文時代後期

法量

31.5cm

指定

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縄文時代後期初頭に位置づけられる土器です。土器の縁が波状になっている深鉢形土器で、表面に弓矢や動物などのモチーフがみられることから、狩猟の場を描かいたものと考えられます。この土器は東北地方にのみ点在して出土例が少なく、貴重な資料です。

・深鉢形土器

深鉢形土器

遺跡名

一王寺(1)遺跡

時代

縄文時代中期

法量

32.3cm

指定

-

縄文時代中期中葉の大木8b式に併行する土器です。いわゆるキャリパー形をしており、口縁部には透かし細工の大きな突起装飾があります。口縁部や体部には、粘土紐と沈線による渦巻文様が描かれています。

・深鉢形土器

深鉢形土器

遺跡名

重地遺跡

時代

縄文時代前期

法量

28.2cm

指定

-

縄文時代前期後葉の円筒下層d式土器です。円筒土器に特有な細長いバケツの形をしています。体部には、軸に撚り紐を巻きつけた絡条体によって、木目状の撚糸文が施されています。底部付近には羽状縄文もみられます。

・深鉢形土器

深鉢形土器

遺跡名

牛ヶ沢(4)遺跡

時代

縄文時代早期

法量

43.8cm

指定

-

縄文時代早期中葉の物見台式土器です。底部が乳房状で、口縁部が内反しています。文様は貝殻の腹縁部分を用いた刺突や、棒状工具を用いた押し引きによるもので、器面全体に幾何学的できれいな文様が施されています。

・爪形文土器

爪形文土器

遺跡名

牛ヶ沢(4)遺跡

時代

縄文時代草創期

法量

-

指定

-

縄文時代草創期の土器破片です。器の厚さが4mm前後で、薄手に作られています。破片全体に細い爪形の文様がみられます。胎土に金色に光る雲母が混ざっているものもあります。

弥生時代の一覧

・遠賀川系土器

遠賀川系土器

遺跡名

是川中居遺跡

時代

弥生時代前期

法量

42.0cm

指定

-

遠賀川系土器は、筑豊地域をはじめ九州でつくられる「遠賀川式土器」をまねたもので、壺や甕形で平行沈線と点列で飾られることが特徴です。弥生時代への変わり目と考えられる水田稲作とともに九州から日本列島を北上していくことから、弥生時代へのうつりかわりの目安にもなっています。

・管玉

管玉

遺跡名

是川中居遺跡

時代

弥生時代前期

法量

最大0.78cm

指定

-

甕棺から出土した副葬品の管玉です。10点あり、すべて碧玉(へきぎょく)で作られています。これら管玉の多くには、端部に割れがあり、粗く折られた痕跡であると考えられます。

・甕棺

甕棺

遺跡名

是川中居遺跡

時代

弥生時代前期

法量

52.3cm

指定

-

土坑に埋納された土器の棺で、内部から骨粉や赤い顔料を含んだ土、管玉がみつかりました。表面には赤い顔料が付着し、底部に孔があいています。内外面に炭化物が付着しており、煮炊き具から棺へ転用されたと考えられます。

・土偶様壺形土器

土偶様壺形土器

遺跡名

八戸城跡

時代

弥生時代前期

法量

15.1cm

指定

-

竪穴住居跡から出土した土偶の形をした土器です。これまで東北・北陸地方でわずかにしか出土例がなく、貴重な資料です。胴部に粘土紐を貼り付けた隆帯が巡り、その間を刺突文がすきまを埋めるように施されています。

古墳時代の一覧

・ラウンドスクレイパー

ラウンドスクレイパー

遺跡名

田向冷水遺跡

時代

6世紀

法量

最大2.3cm

指定

-

黒曜石製で縁辺に刃部が巡る小型石器です。続縄文土器とともに出土することが多く、続縄文文化からの影響と考えられています。このスクレイパーは竪穴住居跡から出土し、続縄文文化の北大式土器もみつかっています。

・続縄文土器

続縄文土器

遺跡名

市子林遺跡

時代

5世紀

法量

16.5cm

指定

-

土坑墓から出土した壺形土器で、北海道の続縄文時代後半に特有な北大Ⅰ式の特徴がみられます。土器は、波状口縁で肩が張り出す形をしており、頸部と体部上半に鋸歯状の刺突列と細い刻み目の文様が施されています。

・石製模造品

石製模造品

遺跡名

田向冷水遺跡

時代

5世紀

法量

3.56cm

指定

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石製模造品は刀子や玉類などの形をまねて作られており、まつりなどの儀式の道具と考えられています。この資料は竪穴住居跡から出土したもので、粘板岩製の円板形のものです。2箇所の貫通した孔(あな)がみられます。

・石製模造品

石製模造品

遺跡名

田向冷水遺跡

時代

5世紀

法量

2.82cm

指定

-

石製模造品は刀子や玉類などの形をまねて作られており、まつりなどの儀式の道具と考えられています。この資料は竪穴住居跡から出土したもので、緑色凝灰岩製の剣形のものです。中央に2箇所の貫通した孔(あな)がみられます。

・続縄文土器

続縄文土器

遺跡名

盲堤沢(3)遺跡

時代

4世紀

法量

30.4cm

指定

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土坑から出土した深鉢形土器で、北海道の続縄文時代後半に特有な後北C2-D式の特徴がみられます。体部には、ミミズ腫れのような微隆起線による文様が施され、その間を刺突文や縄文を充填しています。

平安時代の一覧

・白磁皿

白磁皿

遺跡名

大仏遺跡

時代

11世紀

法量

底径6cm

指定

-

中国で焼かれ、日本に渡ってきた白磁の皿で、竪穴住居跡からみつかりました。この皿は明緑灰色の釉薬が掛けられており、体部内面に沈線状の段が作られ、底部外面には丁寧なヘラケズリによる調整が行われています。

・錫杖状鉄製品

錫杖状鉄製品

遺跡名

林ノ前遺跡

時代

10世紀

法量

最大24.77cm

指定

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仏具の錫杖に似ている鉄製品で、東北地方北部で多く、この地域独特の祭祀具であると考えられています。基部にはひねりを加えているものもあります。この鉄製品は、竪穴住居跡の埋土や土坑の底からみつかっています。

・石帯

石帯

遺跡名

田向遺跡

時代

9世紀

法量

最大3.65cm

指定

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束帯装束の帯へ付ける飾り石で、特別な地位の人物が所有するものと考えられています。資料は竪穴住居跡から出土し、はんれい岩製で四隅に孔(あな)がみられます。孔の一つには帯につけた時の鉄鋲が残っています。