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是川遺跡出土品を保存修理しています

八戸市では現在、貴重な文化財を良い状態で保存し活用するため、国庫補助金の交付を受けて重要文化財「青森県是川遺跡出土品」の保存修理事業を進めています。

平成 23 年度に重要文化財に追加指定された「青森県是川遺跡出土品」330点の中には、欠損部分や脆弱な部分があり、修理や補強を必要とするものがあります。特に漆製品や木製品は、状態が変化しやすいため、経過観察と適切な保存修理を継続的に行う必要があります。平成30年度までに、土器21点、木製品等31点、漆製品31点、石製品1点の保存修理と保存台作成をしています。

令和元年度は、土器7点、木製品12点、計 19 点の保存修理を行いました。修理では、細部の観察や X 線撮影により状態を確認し、クリーニングを施した後に、それぞれの材質や状態に応じた修理が行われます。土器はいったん解体し、歪みがないように組み立て直し、欠失部分や補強のための樹脂等を充填し、補彩して仕上げられます。樹脂は取り外しが可能な素材を使い、補填した部分は本体と区別がつく色に塗られます。

保存修理を行うことによって文化財は安定した状態を保ち、本来の美しい姿がよみがえり、展示等で公開・活用することが可能になります。今後も貴重な文化財を未来に伝え残していくために、少しずつ保存修理を進めていきます。

令和元年度 保存修理資料
修理前
修理中(欠失部分に樹脂を充填)
修理後