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考古学講座(後期①・②)を開催しました!

313日(土)、320日(土)の2週間連続で考古学講座を開催しました。この講座は、「北海道・北東北の縄文遺跡群と世界遺産」をテーマに、世界遺産登録を目指す縄文遺跡群の価値や構成資産について理解を深め、登録へ向けてさらなる盛り上がりを図ることを目的としたものです。

 

13日(土)の第1回目は、つがる市教育委員会の羽石智治(はねいし ともはる)氏をお招きし、「田小屋野貝塚が語る縄文のくらし」と題してご講演をいただきました。
ご講演では、①亀ヶ岡遺跡の学際的研究(田小屋野貝塚の調査・研究史は亀ヶ岡遺跡と深くかかわりを持つ)、②津軽平野の環境変遷、③縄文人と周辺環境の関わり、④田小屋野貝塚での暮らし、⑤「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産としての価値の5つのテーマに沿ってお話しいただきました。
羽石氏は遺跡のこれまでの調査・研究を踏まえて、田小屋野貝塚は、定住が発展し、集落施設が多様化する様子をよく示す遺跡であるとともに、多様な立地への適用と多様な生業の発達を良く示す遺跡として重要であると述べられました。

 

第2回目の20日(土)は、大阪府堺市世界遺産課の十河良和(そごう よしかず)氏を講師に迎え、「世界遺産 百舌鳥・古市古墳群-その価値と今後の取り組み-」と題してご講演いただきました。本来は2月13日(土)に開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症対策のため延期していたもので、当日は感染拡大リスクを減じるため、インターネット中継での開催となりました。
ご講演では、①登録までのあゆみ、②百舌鳥・古市古墳群、③認められた世界遺産としての価値、④これまでの取組み・今後の取組みの4つのテーマに沿ってお話しいただきました。
十河氏は、多様な形・規模の古墳で構成される百舌鳥・古市古墳群は、当時の社会・政治的構造を表現したものであり、当時の埋葬形態は他国に類を見ない特徴があると述べられました。また、資産の緩衝地帯の制限に関わる取組みや、PR活動、市民団体との連携などについてもご紹介いただきました。

 

是川石器時代遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、順調に進めば本年夏頃の世界遺産登録が見込まれております。是川縄文館では、引き続きへ向けて、様々な取り組みを行っていきます。


令和3年度
の考古学講座第1回は5月15日(土)に開催します。引き続き「北海道・北東北の縄文遺跡群と世界遺産」をテーマに日本イコモス国内委員会委員長である岡田保良(おかだ やすよし)先生をお招きして「世界遺産登録の先にあるもの―ICOMOSの立場から」と題してお話をいただきます。ぜひご参加ください!

第1回の講座のようす
第2回の講座ようす